HI-MATIC F

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HI-MATIC F
HI-MATIC F
前年に発売されたハイマチックEの言わば弟的な存在で、ベストセラーのコニカC35に対抗すべく(便乗して?)各社から発売された当時の小型軽量カメラの部類に属したカメラです。C35の機械式プログラムシャッターから一歩進んでこちらは完全な電子式プログラムシャッターになり、EV0.9〜17の広範囲にわたってのAE撮影が可能でした。実際はEV0.9〜7.9の間はF2.7のままシャッター速度のみが4〜1/30秒と変化し、EV7.9〜17は1/30秒F2.7〜1/700秒F13でシャッター速度と絞りが一定の組み合わせで変化しました。外見的には一連の小型軽量カメラの中にあってもっともシックな感じに思え、なんとなく質感が高そうにに見えました(分解してみると中はそれほどでもなかったのですが・・・)。

このカメラには実は困ったことがひとつありました。それはバッテリーに関係なくシャッターボタンが押せてしまったこと。シャッターボタンを押すとファインダーの中の赤ランプが一瞬点灯してバッテリーOKを知らせてくれましたが、正直言って撮影のたびにそれを確認するのはかなり億劫でした。ちなみにシャッター速度が1/30秒以下の時はこの赤ランプが点いたままになり、手ブレ注意のサインを兼ねていました。シャッターの感触はストロークも短く静かで軽快なもので、前作のハイマチックEに比べて飛躍的に良くなっていました。

当時の小型軽量カメラ達はどれも写りの良さには定評がありましたが、実際に使ってみると本当にビックリするくらい良く写りました。ハイマチックEと比べると軽い感じがしましたが、とてもきっちりとした写りだと思いました。普段持ち歩くカバンに入れておき、ふと「いいな・・・・」と思った光景をパッと切り取る。このカメラはそんな使い方が似合うと思いました。低速シャッターが使えたのも◎。
《 HI-MATIC F MINOLOOK ORIGINAL BLUE MODEL 》
実はこれ、部品欠品によって距離計が動かなくなってしまった個体です。
目測でのピント合わせにより実用上はまったく問題ありませんでした。
正常な個体と間違えないように色を変えていました。
HI-MATIC F BLUE

発売:1972年6月 / 当時価格:26,300円 / レンズ:ROKKOR 38mmF2.7(3群4枚)
シャッター:SEIKO ESL(4秒F2.7〜1/700秒F13のプログラムAE)
受光素子:CdS / ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし
電源:HM-N型水銀電池×2 / サイズ:113×73×54mm / 重量:約350g










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