500 GS

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500 GS
500 GS



このカメラは、お世話になっていたJFC会員の番長さんに連れて行ってもらった、東所沢の骨董屋さんで発掘しました。発掘と言っても、ケースに入っていたのでカメラ自体もレンズもなかなか綺麗でした(ケースはボロボロなのですぐに捨ててしまいました)。ファインダーを覗くと二重像もフレームもはっきり見えて問題なし。帰宅してLR44を入れたらファインダー内の針も正常に振れました。このカメラの先代にあたるリコー500G(1971年3月発売)は、大きさ的にはコニカC35をはじめとする当時の小型ファミリーカメラに分類されましたが、他のほとんどがプログラムAEのみであったのに対し、シャッター速度優先AE+マニュアルと、ちょっぴりマニア心をくすぐる内容でした。そして2年後に、500Gの内容はそのままで、外観をリファインしたモデルとして発売されたのが本機です。(当時500Gの外観は今一不評だったようです。)

本機は絞りリングを「A」にするとシャッター速度優先AEになり、セットしたシャッター速度に対する絞り値がファインダーの中の針で確認できました。絞りを「A」から解除するとマニュアル露出になり、ファインダーに「M」の表示が出ました。マニュアル露出のときも「B」(=バルブ撮影)を除いてファインダーの針が機能していたので、単独の露出計として使えました。また、絞りリングの「A」、シャッター速度リングの「125」、フォーカスリングの「◎」(2〜3mの間)がグリーンで表示されており、すべてをこのグリーンのポジションに合わせれば、まったく露出に対する知識がない人でも無難な撮影ができるように配慮されていました。

本機は実際に使ってみると、やはり自分で露出を決定することの楽しさを痛感できました。写りも定評のあるところで文句のつけようがありませんでした。ピリッとスパイスが効いた・・・そんな感じの写りに思えました。このカメラは裏蓋の内側に大量のモルトが貼られており、それがほとんど劣化していますが、それさえクリアできれば、気軽に使うには実に素晴らしいカメラだと思いました。ちなみにこのカメラをベースにボディをブラックにし、バッテリーチェッカー、バッテリー不足時のシャッターロック、そしてこの手のカメラでは極めて珍しい多重露出機能を加えた500GXが1977年3月に発売されました。

発売:1973年3月 / 当時価格:18,000円 / レンズ:RIKENON 40mmF2.8(3群4枚)
シャッター:RICOH製(B・1/8秒〜1/500秒) / 受光素子:CdS
ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし / 電源:H-C水銀電池×1
サイズ:111×71×56mm / 重量:約420g










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