35 MF

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35MF
35MF
ヤシカとしてはフラッシュを内蔵した初めてのカメラ。このカメラのスタイルは、貼り革の感じなど、1975年11月に発売されたポルシェデザインによるコンタックスRTSのイメージを意図しているように思えました。プラスチックとはいえ、落ち着いた感じのマットブラックのボディは、巻戻しクランクが底面にあってトップがフラットなうえ、使わないときはフラッシュが隠れていて発光部が見えないのでなかなかスマートな印象。しかし、なぜか鏡胴はプラスチック丸出しの安っぽいもので、せっかくの好印象のボディと大きなギャップを感じてしまいました。

このカメラのフラッシュは、スイッチ操作によって“ピョコン”と跳ね上がる一般的なものと違い、ファインダー下のボタンを押しながら鏡胴の一番ボディ側のリングを回転させて上下させるようになっていました。手間はかかりますがこちらの方がもちろん動きはスマート。ファインダーを覗くと、絞り値を表示する上下に動く針が右側に見え、その下には鏡胴に刻まれたゾーンフォーカスのピクトを覗く窓もありました。シャッターは機械式で、露出計の針をくわえ込んで露出を決める構造になっていますが、シャッターロックがかからず、電池がなくて針が振れなくてもも1/60秒F2.8できれてしまいました。

このカメラの写りですが、外観から受ける印象とはちょっと違い、どちらかというと柔らかく、かつコッテリした描写であるとminocatは感じました。色はわりと濃い目なのですが、際立って鮮やかというわけではないので派手な印象は受けません。パッと見は地味なのですが、よく見ると結構解像していますし、暗い場面でもノーフラッシュで予想以上に良く撮れていました。お散歩カメラとして気軽に付き合えるカメラだと思いました。翌年にセルフタイマーが付いたモデルも発売されました。

発売:1976年8月 / 当時価格:30,800円 / レンズ:YASHICA LENS 38mmF2.8(3群4枚)
シャッター:プログラム式(1/60秒F2.8〜1/250秒F16) / 受光素子:CdS
ピント合わせ:目測式(4点ゾーンフォーカス) / フラッシュ:あり(ポップアップ・手動)
電源:H-C型水銀電池×1(露出用)・単3型乾電池×2(フラッシュ用) / サイズ:131×74×53mm / 重量:約390g










   
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