SNAP

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本機は1978〜79年に発売されたヤシカのMFコンパクトカメラ3機種(ダイアリー/フラッシャー/スナップ)のうちの1つ。同時に発売されたデート機能+フラッシュ内臓のダイアリーに対し、こちらは極力シンプルにして低価格を目指したものでした。もともとカメラボディのプラスチック化は万一の感電事故を防ぐのが目的でしたので、このカメラのようにフラッシュを内蔵しないプラカメは、当時としてはまだ珍しい存在だったのではないでしょうか? プラスチック感丸出しのフラッシュ無しのボディは、オモカメみたいでとても安っぽく見えますが、コロッとした本機のスタイルはなんとなく愛嬌があり、minocatはとても気に入っていました。フィルムの巻上げはボディの底の方にあるダイヤルを、左手の親指の腹で回す方式。minocatの家にいたのはシャッターボタンの周りがライトグリーンでしたが、他にオレンジ、ライトブルー、クリームイエローといったものも見たことがあります。

このカメラもダイアリー、フラッシャー同様にファインダーの右側に上下に動く針が見えますが、ダイアリー、フラッシャーのような絞り値ではなく緑・黄・赤の3色のゾーン表示へと簡略化されており、緑・黄では撮影可、赤は8EV以下ということでシャッターロックがかかるようになっていました。フラッシュを使う場合は、被写体までの距離と使用するフラッシュのガイドナンバーから自分で絞り値を算出せねばならず、低価格モデルであるにもかかわらず妙にシビアな面を持ち合わせていました。しかし、ダイアリーやフラッシャーと違って、シャッターロックがかかっても絞りを「A」からはずすことによって、露出アンダーを承知のうえでシャッター速度1/60秒での撮影が可能であり、minocat的にはこちらの方が好ましいものでした。

このカメラは見た目によらずその写りには定評がありましたが、使ってみて「なるほど!」と感心してしまいました。シャッター(兼絞り)羽根が2枚なのでボケは決して綺麗とは言い難いのですが、開放付近では立体感が感じられてなかなか良い雰囲気に写りました。なんと言っても最大の魅力として3枚玉独特の “照り” を十分に堪能でき、ガラス、金属、水面等の輝きを実に美しく見せてくれました。minocatはこのカメラによってすっかり3枚玉の虜になってしまいました。

発売:1978年9月 / 当時価格:18,300円/レンズ:YASHICA LENS 38mmF2.8(3群3枚)
シャッター:プログラムシャッター(1/60〜1/360秒) / 受光素子:CdS
ピント合わせ:目測式(4点ゾーンフォーカス) / フラッシュ:なし / 電源:H-C型水銀電池×1
サイズ:118×72×54mm / 重量:約280g










   
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