RESTOR ROOM
BEAUTY LITE O MATIC III
鉄屑同然のスーパージャンクからの蘇生

都内の怪しいリサイクルショップの店内に転がっていたのを発見。半端なくボロボロの状態、しかもセレンが欠品していましたがレストアの勉強になると思い、わずかばかりのお金を払って連れて帰りました(向こうさんも一応商売ですからね・・・(^^; )
ご覧のように、まるでゴミ捨て場から拾ってきたかのような荒れた姿。
カバーを外してみると、内部もことごとく錆びまくり+腐食しまくりで、巻上げギシギシ+シャッター不動+絞り不動+ヘリコイド固着という状態でした。ちょっと触っただけで白い粉が舞い上がるので、腐食した表面を削り、粉を掃除機で吸い取りながら分解していきました。
シャッターは同世代のキヤノン・キヤノネット、オリンパス・オートアイ、コニカS等と同じコパルSV。
とりあえずシャッターユニットとヘリコイドはベンジンに漬け、ボディは錆びた部分と腐食した部分を削り落とした後に、巻上げ関連部分の掃除〜調整そして注油をしました。シャッターと絞りはベンジンで復活しましたが、ヘリコイドは固着したままでした。そこで今度はCRCに漬け2週間放置。その結果ようやくヘリコイドが回るようになり、分解することができました。ヘリコイドが分解できたことで先が見えてきました。古い歯ブラシとベンジンでCRCと固まったグリスを落として組立てました。
▲ レストア前 / レストア後 ▼
錆びや腐食を剥がしたところは家にあったプラモデル用の塗料でマットブラックに塗り、正面の革は当時100均で売っていた皮革風のブックカバーに貼り替えました。距離計も調整して快調。露出計は死んでいますが、もともとこのカメラはキヤノネットのようなAE撮影ができるわけではないので、撮影時には機能的な制約を受けることがありません。鏡胴周りの操作部(絞り、シャッター速度、ピント)の感触は現状ではイマイチですが、ちゃんと機能しているのでとりあえずOK。巻上げとシャッターボタンについては極めて素晴らしい感触になりました。それにしても鉄屑同然だったものがここまで蘇ったことは、まさにこのカメラの素性の良さを物語っており、今回のレストアを通じて当時のカメラ作りに対する志の高さをまざまざと見せつけられたような気がしました。
このライトOマチックIIIの写りは こちら をご覧ください。
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